居場所がなく存在意義を見失っている木戸悠介は、朝井リョウ『イン・ザ・メガチャーチ』に出てくる久保田慶彦にも通じる中年男性だ。
他にも長岡友梨奈の夫や編集者の五松や斡旋疑惑の坂本教授など、明確な悪意があるわけではないのに、著しい時代の変化にアップデートできず軋轢を生んでしまう男性達。
佐藤二朗さんと橋本愛さんのトラブルも、根底にある問題は同様なのかも。
一方、糾弾する側の女性達がか弱い被害者なのかと言うと、作家の長岡友梨奈も告発者の橋山美津も怒りのパワーとキャラクターが強烈で、安易に共感させてくれない。
2025年6月にオンエアされた『情熱大陸』での金原ひとみさんは、取材している男性ディレクターとの間にハラハラするやり取りもあり、長岡友梨奈性が垣間見えた。
別媒体のインタビューでは、ご自身の母親に人格否定された過去について話していたので、娘の伽耶にも投影されているのだろう。
読み終わってみると、好ましく感じられる登場人物が一人もいなかった。
編集者乃木にも新人作家西村にも歪んだ部分が見え隠れするのがあまりにもリアルで。
ラストのリコが一服の清涼剤だったけれど、希望が見えずに終わるところを苦肉の策として配置されたように感じた。
★★★★⭐︎(星4つ)




























